水俣条約について
水俣条約は水銀の一次採掘から貿易、水銀添加製品や製造工程での水銀利用、大気への排出や水・土壌への放出、水銀廃棄物に至るまで、水銀が人の健康や環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める条約です。
蛍光灯に含まれる水銀は水俣病の原因となったことで知られています。
2023年11月「水銀に関する水俣条約」の第5回締結会議がスイス ジュネーブにて行われました。
すでに2025年末での製造・輸出入禁止が決まっている電球型蛍光灯と合わせ、直管型蛍光灯の製造と輸出入が2027年末までに禁止することで合意しました。
これによりすべての一般照明用蛍光灯の製造が終わることになります。
対象は蛍光灯のみに限らず、水銀を使用したボタン電池・化粧品・水銀含有触媒を使用するポリウレタンについても2025年末までに製造や輸出を禁止することで合意、汚染廃棄物の基準値を155PPMとすることも決めました。
水銀の毒性
工場や鉱山などから排出された水銀は食物連鎖を経て濃縮され、主に魚介類などから人体に取り込ます。
水俣病を引き起こしたメチル水銀は腸管から容易に人体に侵入し、神経系に損傷を与えたり、筋力低下、発話のゆがみ、筋肉の協調性の低下、手、足、口のしびれなどの症状を引き起こします。
環境省 水俣病情報センター
http://nimd.env.go.jp/archives/
水俣条約の履歴
2001年 国連環境計画(UNEP)は地球規模の水銀汚染にかかわる活動を開始
2002年 人への影響、汚染実態をまとめた世界水銀アセスメント発表
2009年 第25回UNEP管理理事会で水銀によるリスク的減のための条約を制定
2010年 政府間交渉委員会開催
2013年1月 政府間交渉委員会第5回会合(INC5)において「水銀に関する水俣条約」の名称に合意
2013年10月 熊本市及び水俣市で外交会議及び準備会合が開催され、水銀に関する水俣条約が全会一致で採択される。
2017年8月 水俣条約発効
2025年末 電球型蛍光灯の製造・輸出入禁止
2027年末 直管型蛍光灯の製造・輸出入禁止
外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000070111.pdf
環境省
https://www.env.go.jp/chemi/tmms/index.html
経済産業省
https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/minamata.html
関連情報
(一社)照明工業会 JLMA
https://www.jlma.or.jp/kankyo/suigin/index.htm